「アッシリア帝国のオリエント世界の統一→4国分裂へ→アケメネス朝のオリエント再統一」の流れがありましたね。
以下の表で「オリエント世界の勢力」をおさらいしましょう!本記事はアケメネス朝ペルシアの再統一について書いていきます。
出典: 世界の歴史まっぷ
アケメネス朝ペルシアの建国(前550〜前330年)
前550年、イラン高原のインド・ヨーロッパ語族のイラン人が国を興しました、アケメネス朝ペルシアです。
滅亡は前330年なので「550から330 」と数字をパッとイメージでとらえると記憶に残りやすい!
☑️ペルシアの由来
アケメネス朝が興ったイラン高原南西部の地域はもともと「パールス(ペルシス)」と呼ばれてました。
このパールスの呼び方がラテン語で「ペルシア」と呼ばれるようになります。
アケメネス朝の創始者アケメネスさん家の生まれた地域が、「パールス」だったのでアケメネス朝ペルシアと呼ぶようになりました。
「アケメネス朝ペルシアはどこの国から独立したか?」の問題が頻出します。メディアからの独立!これを忘れないようにしたいですね。
アケメネス朝ペルシアが受験で絡むのは3人の王様とその業績についてです
以下の3人の王様と業績と照らし合わせて、アケメネス朝ペルシアの盛衰についてみていきます!
- キュロス2世
- カンビュセス2世
- ダレイオス1正
キュロス2世の統治
アケメネス朝の建国はアケメネスですが、前549年にメディア王国に対して反乱をおこし、メディアを滅ぼして自立、事実上の建国主とされます。
そのまま「うっしゃー攻めるでええ!」の勢いを保ったままイラン高原を統一して、小アジアに侵入してリディアをボコボコに。ついでに新バビロニアもボコボコにします。
メディア・リディア・新バビロニアを滅ぼすのだから物凄い火力とバイタリティのキュロス2世です^^;
ちなみに、英雄らしいエピソードがあります。
新バビロニア王国には当時、「バビロン捕囚」で捕らえてるユダヤ人がいました・・・ユダヤの苦難の歴史でした。
キュロス2世は「おぅ・・大変だったろうに・・わしが来たからには安心したまえ。解放祭りやー!!」ということで、ユダヤ人を解放!!旧約聖書にてキュロス大王は「解放者」として讃えられてるほどです。
カンビュセス2世の統治
新王国のエジプト(末期王朝)はアケメネス朝ペルシアに滅ぼされますが、その時のアケメネス朝の王様です。
カンビュセス2世が入試問題で登場したら十中八九「エジプトの征服」が絡みます。
結果、彼の時代にアケメネス朝の支配領域がオリエント全土にまでおよび、アケメネス朝はオリエント再統一へむかいます。
ダレイオス1世の統治
さあやってきました。アケメネス朝ペルシアの最盛期・最大版図を実現させるダレイオス1世の登場!
アケメネス朝の版図はこちら!紫色のダレイオスによってMAXに広がります。当時の都はスサです。
中央集権体制の確立
「版図が広がると統治に困る^^;」はこれまでの為政者が抱える悩みです。そこでダレイオス1世は、国内領土を20に分割して(州)、それぞれに知事(サトラップ)を派遣します。
ダレイオス1世:「うむ、君たちなら大丈夫!任せるお^^そこの州の税金を集めてね、あと治安の維持もおなしゃす」
知事(サトラップ)は王に直接任命され、徴税と治安維持を任されます。
でも ダレイオス1世:「いやはや、彼らはサボってはなかろうかね^^;ちょっと君みてきてくれるか?」という為政者の心配・不安は残ります。
そこで彼は「王の目・王の耳」と呼ばれる監察官をさらに派遣。知事(サトラップ)の仕事っぷりをチェックしてフィードバックするシステムを構築します。ダレイオス1世は強力な中央集権体制を築きます。
帝国には、都のスサから小アジアのサルデス(旧リディアの都)をつなぐ「王の道」を設け、中央集権をさらに強める駅伝制も整えられました。
その他諸々も整えるダレイオス
ダレイオス1世は、ペルセポリスを新たな首都=祭儀の中心地にします。政治の中心地はスサのままで役割を完全に分けます。
加えて、国内の経済状況については、金貨・銀貨を鋳造して、みんなから集める税金の制度も整えます。
また、異民族に対して寛容だったダレイオスは、海上のフェニキア人・陸上のアラム人の商売を推奨し保護!
ダレイオス1世:「異民族であろうとも優しくもてなそう。それが大国を築く条件だよね。商業も自由にさせることを条件に税金を集められたら一石二鳥だし!」って政策の意図がみえてきますね。
そして前500年、ダレイオス1世の支配下にあった小アジアのイオニア地方の反乱をきっかけにギリシャ世界と揉めルことに・・・
アケメネス朝ペルシャの衰退へ向かいます(以降は「ギリシャ世界」にて!)
ペルシア人の文化と特徴
アケメネス朝ペルシアの文化は以下の3つを覚えたらパーフェクトです
- 楔形文字
- ゾロアスター教
- ミトラ信仰
楔形文字
アケメネス朝ペルシアは異国(リディア・メディア・新バビロニア)を征服、フェニキア人やアラム人も保護してたので、国内にはいろ〜〜んな民族がごちゃ混ぜカオス!
ペルシア語・エラム語・バビロニア語が公用語として採択され、国際商業語としてアラム語も使われます。
驚きは、言葉を文字にする表記文字は古来メソポタミアから継承する楔形文字が使われたこと!
*ダレイオス1世の業績を讃えるヘビストゥーン碑文も楔形文字で書かれました。
ゾロアスター教(拝火教)
アケメネス朝の宗教改革者ゾロアスターが創始したゾロアスター教が信仰されます(別名:拝火教、中国名:祅教)
最大の特徴は「善悪二元論」で、善と悪の神が戦い、その最後の審判で善の神が勝つと、善なる人の霊魂は救われる、というもの!
- 善の神:アフラ=マズダ
- 悪の神:アーリマン
大学入試ではほんと〜によく善と悪の神が入れ替わりで登場する正誤問題が多いです。「善いアフロ、悪いあーりゃまああ!」と覚えましょうw
ミトラ教
ゾロアスター教が信仰される前から存在した太陽神のミトラ神をまつる密儀宗教。
密儀には、雌牛を殺し、その脂肪と髄から作られた飲料を飲むと不死になる^^;というものなどがあります(おそろしや)
ローマに入って、ローマの神々と融合を重ねて、各地でミトラ教の神殿もつくられ、一般民衆の間で流行りました。
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