古代・中世ヨーロッパの歯医者は悪魔そのもの?!【歯医者の歴史を遡ってみました】

「歯医者さん好きですか?」と聞いたら100人中98人はいいえと答えるはず。現在は局部麻酔のおかげで無痛で治療してもらうことができます。

 

でも歯医者の歴史を辿れば、麻酔の誕生なんて奇跡の賜物です。本記事では、気絶悶絶の涙に溢れた歯痛を乗り越えた、歯医者にまつわる人類史について書いていきます。

はじめての歯科治療は古代エジプトから

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古代エジプトでは穀物(パン)が盛んに食べられてました。しかし今の穀物(パン)と比べた時に、きちんと殺菌された材料だったり、不純物のないパンは”かなりまれ”だったそう。

 

具体的には、金属・鉱物・砂利や砂がパンに入り混じってたそうで、古代エジプトにおいて多くの人が歯の痛みを感じていました。

 

古代エジプトでは、食べ物の中の砂の除去が多くの人の課題でしたが、それは不可能に近かった。結果的に、多くの虫歯患者がでたのです。

 

紀元前2660年頃、エジプト第3王朝(古王国)のジョセル王には首席歯医者のヘシリーがついていて、世界最古の歯医者の記録が残されてます。

 

治療方法は、痛い痛い虫歯や欠けた歯に詰め物をするだけです

 

ジェセル王にははちみつやハーブなどの植物のかたまりや金を使った処置が施されたそう。もちろん麻酔なんてないので、悶絶する痛みが伴っていたのは想像するにたやすいですね。

 

紀元前2500年頃になると、膿を出して歯茎の腫瘍の圧迫を緩和する穴あけ治療が行われるようになりました。

 

当時、金歯が初めて作られたこともあり金の義歯やゴールドのワイヤーで歯を縫うおしゃれ(?)なスタイルもあったそう!

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出典:10 Horrors Of Dentistry Throughout History – Listverse

古代ローマの先住民、エトルリアの歯科

ではヨーロッパ大陸ではどうでしょうか。古代ローマよりも前、イタリア地域にはエトルリア人が住んでました。ローマ民族に服従がはじまった時、彼らは歯科治療で革命的な貢献を残したとされます。

 

紀元前700年まで動物の歯や金を使った歯のインプラントがあたり前。金属を熱して半田付けし、むき出しの神経や穴を埋める方法を通して、食べかすや虫歯にさられる神経の痛みを抑える歯科の技術がありました。

 

(溶かした金属を口に運ぶなんて、どれだけ拷問に近いことか….)治療に伴う痛みで多くのエトルリア人は発狂。歯医者=悪魔のような存在だったのかも。

 

古代ギリシャでは歯科医療は発達しなかった?

古代文明といえばギリシアは無視できないでしょう。歯科医療も発展していたかと思えば、エジプトと比べると後塵を拝していたようです。

 

ソクラテスやプラトン、アリストテレスの誕生の地のギリシャは、哲学的な精神と好戦的な性格によって歯科医療の発達が妨げられたらしいです。つまり、力と美が究極の美徳とされ、虫歯の痛みでの泣き寝いりは弱さを露呈する象徴だったのです。

 

痛みに耐えずして抜歯を選ぶのは大恥。社会的地位を失うほどのものだったようです。

 

ただ、何もしなかったといえばそうでもなく、様々な薬草・ハーブを浸した布を歯に詰めて、食べ物が中に入らないような応急処置が一般的だったようです。・・・虫歯は削らない限り進行します。大した予防にもならなかったのでしょう。

 

そんな古代ギリシャでは、多くの人は口内の感染症で命を落とす運命にありました。

 

中世ヨーロッパで虫歯予防の意識が芽生える?!

公開処刑でも拷問でもありません。歯科予防は中世ヨーロッパでとても発達しました。(こんな薄い表情ですが、抜歯の瞬間に彼の意識なんてもう昇天でしょう)

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10 Horrors Of Dentistry Throughout History – Listverse

 

古代から歯の痛みを和らげることに苦心していたわけですが、抜歯以外には方法がありませんでしたね。

 

「痛くならないように予防したらいいんじゃないか?」という意見が多くの歯科医療に携わる人々に影響を与え、中世ヨーロッパで初めて歯科予防が芽生えました。

 

1158年、ビンゲン(ドイツの地方都市)の歯科医のヒルデガルトはこう残します。

歯を健康にしたいなら、朝起きたときに冷たい純水を口に含み、しばらくそのままにする。

そうすると、歯のねばつきが和らぎ、歯を洗うことができる。これを頻繁に続けると、ねばつきが徐々に減り、歯の健康が保たれる。

この粘液は寝ている間に歯に付着するため、目覚めたら冷水できれいにするべきだ。湯よりも冷水のほうがいい。湯だと歯が脆くなる。

純水で予防が完治するわけではないですが、歯の痛みを防ごうとする意識の芽生えの決定的な証拠です。

 

人々は綺麗な布でこすって清潔にしたり、専門家は口内から汚いものを取り除いたりして虫歯の予防に励みました。

 

ルイ14世の時代についに

中世ヨーロッパでしか予防の意識が芽生えたとはいえ、1600年頃までは『歯医者』という専門職は存在しませんでした。歯の痛みに苦しむ庶民は、床屋か鍛冶屋で抜歯してもらうのが普通でした。

 

まず、背景から。大航海時代の最初の頃、砂糖高級品でした。しばらくした後、奴隷を使って大量に作られるようになると、安価でヨーロッパに運ばれました。

 

砂糖は虫歯の元。ヨーロッパでは砂糖を摂取する人が増え、同時に虫歯で悩む人々も急増しました。『必要は発明の母』、つまり、歯科医という専門職が誕生します。

 

特にあの太陽王ルイ14世の時代には、豪華絢爛なパリの上流階級文化が発達しましたね。宮廷や上流社会での成功はルックスに左右され、美しい歯への関心が高まりました。

 

中世から歯科医療のスキルも知識もない鍛冶屋のおっさんやペテン師などがはびこっていたわけですが、差別化をはかるために、専門職としてのインテリ歯科医師軍団が台頭します。

 

その第一人者が、フランス海軍で手術を勉強したピエール・フォシャール

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歴史上初めて歯科専門医を名乗ったのが彼です。1728年にじぶんの知る全ての歯科医療に関する本を書きました。今となっては『歯科医療の父』として賞賛されます。

 

彼は床ではなく専用のイスに患者を座らせたり、抜歯専用の道具を考案したり、歯科治療専用のドリルや詰めものも考案しました。

 

ほぼ現在の歯科治療をやっちゃってるんです。歯科医療の土台を築いた彼の実績はやはりすごいですね。彼の業績のおかげで、『歯科医』の職業としての地位が確立しました。

 

彼の技法は大西洋の向こうのアメリカ大陸にまで伝わることになるのです。現代歯科医療の基礎の土台が完成して、さらなる飛躍を遂げていきます。

 

まとめ:本当に今の歯医者さんってすごい

そして、今。歯医者さんってすごいですよね、寝てられるくらい無痛じゃないですか。虫歯治療=拷問・処刑レベルに恐れられてた時代をふまえると進化は凄まじいです。

 

この前歯医者にお世話になった時、両目にアイマスクが置かれ、リクライニングシートに腰をかけ、終始リラックスのまま治療が完了しました。

 

麻酔の注射も「少しチクっとします」と言われたものの、軽くつまようじでタッチされるくらいの感覚。びっくりでしたね〜

 

僕が小さい頃はゴリゴリ削られて「痛い!!」って手を挙げた経験はたくさん。日進月歩の歯科医療の発展にはもう脱帽です。古代エジプトやエトルリア人もびっくりです

 

でも失敗がなければ技術は進化しない!そんな意味であんたらに感謝しますわありがとう!怖〜い歯医者イメージを崩せたのは近年の歯医者の最大の業績でしょう。

 

歯医者に行くのが怖い人は「古代エジプトの時の治療と比べたら余裕でしょうw」と思えば、ためらいが無くなり早急に処置できるようになりますよ。歯は一生ものですもの。大事に大事にケアしていきたいですね。

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