古代のギリシャ文明に突入しました!メソポタミアやエジプトの地域と比べた時に、環境は全く異なるのが地中海世界の特徴です。
はじめに、地中海世界の地理的環境についてみていきましょう。
地中海世界の生活環境
地中海世界ってどんなイメージですか?
地中海世界はここら一帯のことです
澄み切った青い空と燦々と照らす太陽、ブラッドオレンジ、オリーブオイルのイメージですよね。
こうした天気・気候の環境は、つくる食べ物に影響を与えます。(北海道でじゃがいもが育てやすいのと同じ!)
この地中海世界は、ナイル川のような大河はなく、穀物(小麦など)を育てるのに向いてません。その代わり、オリーヴ・ブドウ・イチヂクなどの果実を育てるのに向いてます。
同時に、干ばつの危険性がいつもあるため、オリーヴオイルを輸送して、穀物(小麦など)を持ってくる、交易(トレード)が盛んな地域です。
古代ギリシャ人:「なあ、ワイら、オリーヴと果物、ヤギのミルクじゃあ死んじまう」
外の小麦屋:「せやな、毎日ブドウ縛りはえぐいですなあ^^;ほな、美味しいブドウと、こちら小麦、交換しましょか〜」
な感じ!この交易を通じて人々は生活を送っていました。
そもそも「ギリシア」とは?
「ギリシャ!ギリシャ!」と僕たちはあたりまえに呼びますが、これは英語表記のGreeceからくるもので、ローマ人が使った言葉がもとになります。
とは言っても当時の「ギリシャ」に住んでいた人は自分たちを古代ギリシャ語で「ヘラス」と呼んで、他の民族と分けてました。
また、古代ギリシャというと、歴史に残るのは皆が話し合いをはじめる「ポリス社会」をイメージする人は多いかもですが、「いや、それよりも前に文明ってあるんじゃないの?」ということで発掘が進みました。
エーゲ海には以下の2つの文明があり、それぞれの発掘者によって明らかになります。
- クレタ(ミノア)文明(シュリーマンの発見)
- ミケーネ文明(エヴァンズの発見)
エーゲ海に花咲いた文明は、クレタ島とペロポネソス半島に分かれる!ってことですね。それでは順番にみていきましょう
クレタ(ミノア)文明(前2000〜前1400)
エーゲ海に浮かぶクレタ島は前2000年に文明が発達します!以下の地図の青色の島です。
前3000年頃に小アジアから青銅器を持つ人たちがやってきて、ぽつぽつと集落ができじはじめた説があります。
別名「ミノア文明」の呼び名は、ギリシア神話に登場する、クレタ島の伝説の王様ミノス」に因みます。
発掘者エヴァンズは、クレタ文明で使われてた文字の「線文字A」と「線文字B」を発見します。「線文字A」が主にクレタ文明で使われたようですがいまだに未解読です。
クレタ文明の最大の文化遺産は、クノッソス宮殿です
*クノッソス宮殿再現図
このクノッソス宮殿は中庭の周りに多くの建物が並びます。城壁は作られませんでした。クレタ文明は外敵を恐れずにウェルカム(?!)の気質だったようで、開放的な文明の人とされてます。
こんなイルカも壁画に描かれるほど平和的・開放的な文明でした。
出典:wikipedia
しかし、このクノッソス宮殿が壊滅的な状態でみつかったことから、外敵の侵入によって滅んだのでは?とされます。その正体は、もう一つの文明のミケーネ文明を築いたアカイア人です。
ミケーネ文明(前1600〜前1200)
前2000年からドドド!っとインド=ヨーロッパ語族の人たちが北方からやってきて、その内のアカイア人が前1600年に築いた文明です。
ペロポネソス半島を中心に、ミケーネ・ティリンス・ピュロスなどの小国家を作りますが、最後に生き残ったのが、ミケーネ地方のミケーネ王国でした。
小国の乱立から想像できるように、クレタ文明の開放的な平和な文明とは違い「うりゃおりゃおりゃ!!攻めろーー!いや、守れーー!ギヤあ」と、戦闘的な民族だったと推測されます。
ミケーネの獅子門は有名です。巨大な城壁が建設され、外敵から身を守ります。やらなきゃやられる、そんな世界でした。
線文字Bで書かれた粘土板も多く発掘され、ヴェントリスによって翻訳されます。
驚くべきは、ミケーネ文明は貢納王政だったこと。
開放的なクレタ文明と違い、防御力・攻撃力を蓄える必要があったミケーネ文明の「統一」「団結」を狙った取り組みだと思われます。
ホメロスの『イリアス』の「トロイア戦争」では小アジアのトロイア王国を征服する程ですからね。強国に成り上がれたのも貢納王政のおかげだったのでしょう。
古代ギリシアの「暗黒時代」へ
ミケーネ文明は、前1200年ころ、あの伝説上の民族「海の民」の侵入で滅ぼされます。その後、線文字Bも使われず、歴史が残らない時代=暗黒時代に突入します。
な感じ。(史料が無いって辛ーい!!しかも史料の関係で、古代は時代のスパンがやたら長〜〜く空くので、世界史選択者は耐えましょう、耐えましょう)
ギリシア人の一波(ギリシャ人第一弾!)がドドドと移住してきてエーゲ文明が築かれました。しかし第二波の「ドーリア人」・「イオニア人」・「アイオリス人」が押し寄せる時、古代ギリシャの世界はまた違った様相を呈します。
例えば、「ドーリア人」は鉄器を持ち込んで、古代ギリシアの時代を跋扈する存在にもなります。つまり、青銅器文明のエーゲ文明から、よりパワーアップした鉄器文明のギリシア文明にアップデートされます。
前12世紀から前8世紀頃までこの「暗黒時代」は続きますが、その後の前8世紀頃、ギリシャ人第二波の人たちが「ポリス(都市国家)」を中心とする新しいギリシア世界を築きます。
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